棚田団の理念

 ― 棚⽥での営みが関わる⼈皆んなの暮らしを照らしますように―

NPO法⼈英⽥上⼭棚⽥団(以下、棚⽥団)は「楽しいことは正しいこと」を理念に発⾜した⼤阪の異業種の集まり、協創 LLP(有限責任事業組合)のエコプロジェクトとして 2007年9⽉に任意団体として始まりました。2011年8⽉に NPO 法⼈として、岡⼭県美作市上⼭(奈良時代から最盛期には⾯積 100ha、8,300 枚の棚⽥があったと⾔われる地域)を拠点に、棚⽥再⽣をはじめとして環境保全や地元資源を⽣かした地域の活性化に取り組んでいます。これまで 10 年以上にわたる活動を通じて、約 2 割の耕作放棄地を再⽣しています。

NPO法人英田上山棚田団 代表理事

 

【棚⽥再⽣の原動⼒】

棚⽥は急斜⾯に位置し⼩規模な圃場が多いため、⼤型機械が使⽤できません。そのため、多くの⼈⼿が必要であり、⼦供から⾼齢者、⼒のある⼈からそうでない⼈、経験豊富な⼈から経験のない⼈など、それぞれができることを協⼒し合いながら活動してきました。現代の農業では機械化が進んでおり効率化が重要視されていますが、私たちの活動では棚⽥での営みだからこそ⼀⼈⼀⼈が⼤事な存在であり、多様な⼈たちと協働しながら苦労を分かち合い、楽しさを⽣み出すことをとても⼤切にしています。これが私たちの棚⽥再⽣の原動⼒となっています。

 

【8,300 枚の棚⽥で◯◯】

私たちは耕作放棄された棚⽥を再⽣し、⽥んぼや畑として農作物を⽣産しているだけではありません。棚⽥団は米づくりだけでなく「棚⽥で○○する団体」を目指しています。
仮に8,300枚の棚田を再生できたとしても、私たちだけで米をつくるのは現実的ではなく、多くの方に活用されて初めて維持することができます。そこで、この田んぼ一枚一枚を必要とする人と、どうつながるかが重要だと私たちは考えています。様々な◯◯で上山の棚⽥が活⽤され、8,300枚全てが再⽣されている⾵景を楽しみに、「棚⽥で花を育てる」「棚⽥で野菜を作る」「棚⽥でサウナに⼊る」「棚⽥で養蜂をする」「棚⽥でイベントをする」など、皆んなの「棚⽥で◯◯」チャレンジを応援しています。

 

1⼈でも多くの⼈に棚⽥で活動する楽しさを感じていただき、関わる⼈皆んなの暮らしを照らしていけるよう『ライステラス ライフ照ラス』を実践してまいります。引き続き、皆様からのご⽀援ご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

井上 寿美(いのうえ ひさみ)

2011 年から⽉に1〜2回週末に東京から夜⾏バスで上⼭に通い、棚⽥団の棚⽥再⽣活動に参加。活動を続けていくうちに週末通いの「点」だけの関わり⽅ではなく、より深く地域の⽅々との交流や棚⽥再⽣活動に関わりたいと考えるようになり、2016 年 6 ⽉に当時勤めていた I T 会社を辞めて地域おこし協⼒隊として上⼭に移住。2017年7⽉、棚⽥団の 2 代⽬代表理事に就任。
現在、棚⽥の再⽣活動を続けながら、暮らしの中にある⼿仕事を学び少しでもその技を残そうと藁細⼯や⽊⼯製品などを制作(「⼿仕事屋 manomano」)、⾃⼒移動が難しい⾼齢者向けの移動スーパーの運営、⾼校の⾮常勤講師として地域課題を学ぶ授業に参加するなどの活動を⾏っている。

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