毎年4月29日に行われる大芦池周辺の水路掃除(かけいで掃除)が英田上山棚田団にとっての農繁期の始まりの合図です。
今年も上山住民に加え、稲株主をはじめとする多数の助っ人の参加がありました。

地域外から30名以上が参加。

山に降り注いだ雨を溜め池へと引き込む
5月に入ってからは池から棚田へと続く水路の掃除が続きました。ここでも稲株主の皆さまが毎週末のように5~10名、助っ人として参加してくれたことで、地域にとっても棚田団にとっても大助かりでした。「物言う」株主ならぬ、「手足動かす」株主に上山の棚田の活動や暮らしが支えられています。

手で落ち葉をかきだす 
とある日の助っ人たち 
お疲れ様の昼食会 
数キロにおよぶ山中の水路 
上山住民×法政大図司ゼミ×稲株主
そんな水路掃除三昧の最中、田んぼでは土を耕し、水が漏れないように畦塗りをし、肥料をまき、獣害柵を設置して「池の水落し」の日に向けて準備を進めてきました。

土を寄せて転圧し、漏水を防ぎます。

天気予報とにらめっこして、雨の直後に作業決行。

下段は鉄柵、上段は電気柵で田んぼを守ります。
水を引くための水路掃除、田んぼの上での各種準備….そして、もう一つ大事な作業が「苗作り」です。苗がなくては稲作がはじまりません。
昔から「苗半作(なえはんさく)」という言葉があり「作物の出来の良し悪しは、良い苗を育てられるかで半分が決まってしまう」と、言われてきました。
ちょっとおおげさなようですが、とにかく苗作りは大事だということです。
棚田団では、昨年収穫したお米(品種:ハナエチゼン)の一部を「種籾(たねもみ)」として冷蔵室で保管してきました。
まずはその種籾を塩水につけて良い種と悪い種を選別します=塩水選(えんすいせん)。中身がしっかり詰まった重さのある種は底に沈み、軽い種は浮いてくるため、水面に浮いた軽い種は使用せずに取り除いていきます。
次に選別した種を水で洗って塩抜きし、続いて65℃のお湯を張った釜に10分間つけて消毒します=温湯消毒(おんとうしょうどく)。

風呂釜は古民家を解体して出たもの。
薬剤を使って種籾の殺菌、消毒をすることも可能ですが、棚田団ではお湯のみを使って消毒を行っています。10分の途中で温度が下がらないように熱湯を足しながら種籾を浸し続け、病気を予防します。

水の入れ替えは2日に1回実施。

これも稲株主さんたちが手伝ってくれました。
このように選別され、消毒され、水に漬けて芽だしをした種籾を育苗箱にまき、保温保湿用のシートをかけて大事に育てました。

苗を育てる場所は平らに! 
育苗箱に土を詰める

写真奥の機械にかけて種籾をまき、土をかぶせる。


今年は380枚を育苗。


苗の出来に水やり作業中も笑みがこぼれます。

雨の日は水やり無しのため、当番の人はラッキー。

太陽光をたっぷりあてて苗を強くしていきます。
年によっては発芽がまばらで田植えに使えないような苗が一部発生することもありますが、今年はすべての苗が良く育ってくれて、苗床(なえどこ)が気持ち良いほどに青々としていました。
近所のおじいちゃんからは「良い苗ができとる。育苗センターも顔負けじゃ。」と褒めていただきました。
こうして水路、田んぼ、苗、もう一つおまけで言うなら機械のメンテナンスも棚田団メンバーの熊さんがしっかりとしてくれているからこそ水落しの日を無事に迎えることができています。
6月1日には溜め池の水門が開かれ、掃除された水路を通って棚田に水が行き渡りました。

お神酒を池にも注いだのち栓を開けます。

水が棚田に到達したらトラクターで土と水を撹拌。
人工的な湿地を作り、田んぼになっていきます。



6月1日から続く怒涛の水張り作業でヘロヘロでしたが
集合写真は忘れずに。
長々と書いてきましたが、これでもかなり省略しており、まだまだ紹介しきれていない細かな作業や段取りがたくさんあります。こうした田植えまでの過程にご参加いただけた方の存在はとてもありがたいものです。また、これらの作業を経て、満を持して迎えることとなった田植えに足を運んでくれた方々にも大変感謝しています。
6月14日に開催した稲株主の皆さんとの田植えは大人・子供合わせて78名の方にご参加いただき、賑やかなものとなりました。



田植え体験では手植えをしましたが、それ以外は田植え機を使って植え付けをしています。6月16日付で、英田上山棚田団が今年度管理している約120枚の田んぼの田植えをすべて終えることができました。


秋には無事にお米が穫れるように、水の調整、獣からの防護、草との闘いに棚田団一同、協力し合って取り組んでいきます。
田植えが完了した直後から、早速メンバー集まって田んぼの畦の草刈りをしています。なかなか休ませてもらえない….これぞ農繁期です。

その後は田んぼの水管理や各自の仕事へ
棚田や稲の生長の様子は各種SNS等を通して発信していきますので是非ともご覧ください。時にはコメントやメッセージ、時には現地まで会いに来ていただけますと励みになります。
こちらのwebサイトでの活動報告第二弾もお楽しみに!





